イタリアのスポーツバイクメーカーのドゥカティは、MotoGPのレーシングバイクのテストにIoT、人工知能(AI)を活用している。
では、どのように活用しているのか紹介していこう。
アクセンチュアと協力しIoTとAIの研究
もともとバイクメーカーであるドゥカティはIoTやAIについての知見は不足していた。
そのため、アクセンチュア・アナリティクスをデジタルパートナーに迎えた上で開発を行っている。
レース用バイクを開発するテスト段階においてどのような各種パーツのセッティングによって、どのような変化が見られるかを予測するシステムを開発。
このシステムではIoTとAIを活用し、テストを繰り返していくことでAIのディープランニングによって予測精度が向上していく。
色々な素材、大きさ、特性のパーツを装着することで、タイムが縮まるのか。これまではテストを実際に行わないとわからない部分だった。
しかし、ドゥカティとアクセンチュアが開発した分析エンジンによって、テストにかかるコストや時間の削減に大いに貢献したのだ。
IoTによって詳細のデータを獲得
レーシングバイクというのは、過酷な環境での走行が求められる。例えば時速30kmで市街地を走行するのと、時速100kmでレース場を高速走行するのは当然ながら風の影響が強く、高い安全性も必要だ。
レースにおいては過酷な環境の中、スピードも追求しないといけない。
走行中のエンジンの温度上昇、ブレーキやタイヤは制御できるのか、バイクにかかる風圧や振動がどのくらい影響するのかなど、収集すべきデータは膨大にあるのだ。
だが、これらのデータを走行中に収集するのは難しい。これまではテストマシンを実際に走らせて検証することが前提となっていた。
しかし、このテスト手法の常識を覆したのがIoTである。
ドゥカティのテスト用マシンに100を超えるIoTセンサーを装着。通常のテストデータと照合しながら、より精度の高い分析が可能になったのだ。
さらにAIを活用することで、セッティングによってレースでどのように変化するのか予測でき、レースを繰り返すことで制度が高まっていく。
この仕組みは既存のレーシングバイク製作では対応できなかったものだ。
IoTを活用するメリット
IoTを活用することで、これまで以上の検証が可能になり、トラックテストで最大限活用することができる。
その結果、トラックテストでかかったコストや時間、労力を最大限に抑えられるになった。
ドゥカティは今後、幅広い領域で展開する予定だ。