バイクメーカーのホンダは国内の二輪業界としては初となる法人向けコネクテッドサービス「ホンダ フリートマネージメント」を開始した。
デリバリーや配達などで運用されるバイクの各種動態管理を可能とするものだ。
搭載した通信機によってバイクをインターネットにつなげるIoT化は、車では進んでいるがバイクはまだまだこれから。
フリートマネージメントとは、物流業界でよく聞く言葉で、運送業における車両や運転手の管理、リスクコントロール、コストダウンといったオペレーションステムだ。
ホンダ フリートマネージメントとは
日本国内におけるバイクの販売台数はピーク時(1982年)の328万5千台から、2018年には36万9千台に激減している。
背景には自動車の普及や交通機関の進化、新しい電動モビリティの誕生があり、特に日常の足として使われていた50ccバイクで落ち込みが見られる。
一方で、配達業務用のビジネスバイクや趣味用のツーリングバイクの分野は高い需要がある事に目をつけたホンダは、付加価値を高めユーザーに提供することを目指したのだ。
そこでビジネスバイクの分野で開発したのが「ホンダ フリートマネージメント」である。
ホンダ フリートマネージメントでは以下の様な機能が利用できる。
リアルタイムの車両位置特定
配達中の車両が今どこにいるのかをリアルタイムで特定できる。
運動特性のレポート
ドライバーの運転特性のレポートを作成し、どのように走行していたのか、危険な走行はなかったかを可視化する。レポートによってドライバーの安全運転意識の向上につなげるのだ。
業務日誌の自動作成
走行した日時、場所、距離といった記録を、業務日誌として自動的に作成してくれる。
これまでの業界では手書きで日誌を作成していたので、担当者の負荷や記録が不正確になるといった問題があったが、自動生成機能により手書きの問題は解消する。
今後の期待
現在は法人のみだが、個人向けにサービスが運用された場合、どのような恩恵が受けられるだろうか。
なんとなくやっていたオイル交換や点検が一人ひとりにあわせた提案が受けられる。データからおすすめのオイルなどのアドバイスがもらえるだろう。
さらに欧州の自動緊急通報システムのような事故対応も可能になる。
中古バイクを購入時も車両のログにより履歴が保証されたバイクが流通すれば、購入時の安心感が増すだろう。
個人情報の取得ということで懸念されることはあるが、今後の発展によって安心や安全、利便性につなげてもらえればと思う。